Amazonの利益の50%以上はネットショッピング以外からって知ってましたか?

Amazonは言わずと知れたネット通販の最大手です。流通額では楽天市場の方がやや多いですが、単独のネット通販事業者では圧倒的なシェアを誇ります。(楽天市場はネットショップの集合体で楽天市場の中に複数のネットショップを抱える、Amazonはそれ自体が単独のネットショップ)

その売上高は1,300億ドルを超えると言われます。純利益は8億ドル超です。

このAmazonの莫大な利益ですが、何から得ているかご存知でしょうか。当然ネット通販だろと思う方が多いかと思いますが、実は利益の50%以上はネット通販ではなくAmazon Web Services(AWS)というAmazonが提供するクラウドサービスが上げているのです。

Amazonとは

Amazonとは

Amazonがどんな会社かについては、多くの方がだいたいご存知だと思うので詳細は割愛します。

Amazonの企業理念

Amazonは1996年にジェフ・ベゾスが創業、その時に作られた有名な企業理念が以下の3つです。

「地球上でもっともお客様を大切にする企業であること」
「地球上で求められるあらゆるものを探し、発見でき、購入できる場を提供する」
「常にお客様からスタートし、お客様の立場でいろんなことを考える」

とても顧客第一主義の会社として有名です。

ちなみに創業当社は、インターネットで本を売る会社でした。

Amazonの利益構造

Amazonのネット通販での売上に対する利益率は5%ほどです。業種が異なるので単純な比較はできませんが、Appleの利益率が30%ほどなのと比べるとかなり低く見えます。

物販業界の利益率がこのようなものなのかもしれませんが、顧客満足度向上のための投資を続ける企業戦略でもあります。

そんな中で、Amazonの利益の50%超を稼ぐAWS クラウドサービスの利益率は25%ほどと高い水準。

売り上げの5割を稼ぎ出すクラウドサービスAmazon Web Services(AWS)

売り上げの5割を稼ぎ出すクラウドサービスAmazon Web Services(AWS)

Amazonの利益の50%超を稼ぎ出しているのが、このAmazon Web Services(AWS)というクラウドサービスです。

このAWSとは、ITインフラをクラウド上に提供する主に企業向けのパブリッククラウドサービス。企業向けのいわゆるB to Bビジネスなので、一般の方には馴染みがないと思いますが、IT業界では知らない人はいないクラウドサービスの先駆者で、シェアは30%超と2~4位の大手競合他社の合計を上回ります。

AWSとは

AWSとは、簡単に説明すると、ITサービスやシステムの母体となるITインフラ(サーバやネットワーク)をクラウド上で提供するパブリッククラウドサービスの事です。

ITサービス提供者が自前でデータセンターやサーバなどのコンピュータ機器を用意する事なく、AWS上にシステムを構築することができます。

AmazonのAWS上でサービスを提供しているのは、日本で馴染みが深いところだと「Dropbox」「クックパッド」が有名です。
それ以外にも、NTTドコモや日本経済新聞社、ナスダックなどがAWS上でサービスを提供していたりします。海外だと、音楽配信サービスの「Spotify」やソーシャルマガジンの「Flipboard」などなど。日本国内だけでも20,000社以上が自社のシステムをAWS上で構築しサービス提供をしています。

急速なネットの発展やIT機器の高性能化・小型化により、クラウドサービスの性能も格段に良くなりました。ネットでポチッとITインフラが作れてしまう時代です。

ITインフラの今と昔を簡単に比較してみます。

ひと昔前まで
・顧客毎にITインフラをオーダーメイドで構築
・メンイフレームやサーバを作っているIBMや国内だと富士通、NECなどが得意とするところ

品質 高品質
コスト 高価格
時間 作るのに時間がかかる

近年のクラウド時代の主流
・廉価版のメニュー化されたITインフラをネット(クラウド)上に構築

品質 そこそこ
コスト 低価格
時間 欲しい時すぐに

ひと昔前と書きましたが、銀行ATMや金融系のミッションクリティカルな基幹システムは、まだまだクラウドではなく個別構築が主流です。

AWSなどクラウドサービスの主戦場は、中小規模のシステムやアプリなどのスピード感が求められる新興システムとなります。

なぜAmazonがクラウドサービス?

なぜネット通販のAmazonがクラウドサービスをやっているかというと、AWSはもともと自分たちのネット通販サービスを素早く拡充するために作られたものです。

自分たちが使うために作った物が、思いのほか使い勝手が良く、他社に紹介したら評判が高かったのでサービス化したのがAWSです。

Amazonがクラウドサービスで成功した理由

売り上げの5割を稼ぎ出すクラウドサービスAmazon Web Services(AWS)

AmazonのAWSのパブリッククラウドサービスでのシェアは30%を超えます。2~4位の大手競合他社の合計を上回るという圧倒ぶり。
しかも2~4位というのが、Microsoft、IBM、GoogleとIT専門の超大手企業。

これらを抑えて圧倒的なシェアを獲得できた理由の一つが先行者特権。他にライバルがいないうちに投資を行いサービス提供を行い、実績を積み上げて来たことにあります。

ある意味、IT業界ではないAmazonだからこそできたイノベーションなのかもしれません。

IBMなど大手IT企業は、これまでの仕組みで物を売ることを考えなくてはならない(しかもそれで儲かっている)ので、これまでの仕組みを捨てた大幅なイノベーションを行う身軽さに欠けていたと思います。

Amazonはそんな中、着々とAWSに投資し事業を拡大、そしてネットの発展・高速化とIT機器の高性能化・小型化によりクラウドサービスの性能が向上、それに合わせて需要も拡大、と好循環が続きここまでのシェア獲得に至ったわけです。

これができた背景には、Amazonという会社の風土が大きく寄与していたと感じます。電子書籍のkindleもそうですが、Amazonという会社が、新しいものを作り出すというイノベーションを常に考える企業文化がある会社だからできたのではないかと思います。

  • Amazonの企業文化にイノベーションが根付いていた
  • Amazonが、顧客志向、安いものを素早く届けることを念頭に置いていた

何か儲け話につながらないかと、今波に乗る企業Amazonについて記事を書いてみましたが、イノベーションを起こす企業というのは、AppleしかりGoogle、昔のSonyなど既成概念に囚われずに、誰もやったことがない事をやってきたということですね。